私は世にも珍しい無職のシングルファザーという肩書き(?)を持つ特異な成人男性なのですが、これまで小学生の息子とは良好な関係を築けてきたつもりですし、仲の良さにかけては世界一を自負する程です。
ですが先日私がとある失敗をしてしまったことで、息子から「おいニート!にぃ父さん」と度々呼ばれてしまうようになり、さすがに親の威厳がゼロすぎなのはまずいかもしれないと思い始めた今日この頃なのです。
友達親子関係の弊害
これは各家庭の方針によるものなので、どちらが正しいとかいうものではないのですが、個人的には親が子供を躾けやすくするために従わせるべく父権をふりかざすのは良くないと思うし、いざという時に子供が親に心を開きやすい環境である為には、友達親子関係である方が都合が良い面が多いと思うので、親子で主従関係を明確にするのは良くないという考えの下、子育てをしてきました。
最初から厳しく育てて言う事を聞かすという厳格な教育のやり方の方が後々絶対に楽なんですよ。
だからこそ楽なやり方の方を選んではダメだと思ってました。
実際厳格な家庭で育った子供は親に心を開きませんので、肝心なところで意思疎通できない事がネックとなるデメリットも大きい為、そのような教育方針は現代ではかなり是正されてきてることからも、それ故すっかり父親の威厳はなくなっていきました。
無職のシングルファザー生活
私は一年以上無職のシングルファザーですが、このことは9歳の息子にはずっと隠してきてます。
厳密に言えば元嫁にも伝えておりません。
普通に考えて子を持つ独立した大人が働いてないというのはありえない話なので、誰も疑う余地もなく、パートであってもなにかしら働いてるはずだと思われるのが当然です。
一年半前まではパートで働いていたので、辞めずに継続していることにしています。
しかしいっつも家に居るので息子も疑念を抱いていても不思議ではないし、そろそろ「本当に働いてるの?」と言われないかドキドキもしています。
今回のコロナ禍によりリモートテレワークという便利な言葉も浸透した為、私の嘘はより見抜かれづらくなってきたと安心しておりました。
そんな折、今週から学校の分散登校が始まった事でちょっとした事件が起きました。
休み明けの分散登校開始
長い休みですっかり夜型生活になっていた我々親子ですが、学校が始まるという事で生活サイクルを朝型に戻さなければなりません。
しかし夜眠れないものは眠れないし、朝起きれないものは起きれません。
どんなに布団の中で気張っても目が冴えていたら眠れませんし、特に何かあるわけでもないのに朝に飛び起きる理由がありません。
結局登校の前日も息子は明け方の4時前頃まで眠れず、4時間弱の睡眠で無理矢理飛び起きて頑張って登校しました。
私は息子を見送ってからようやく眠りにつきました。
昼の13時過ぎに帰宅予定なので13時にスマホのアラームをセットして起きました。
スマホを見ると留守電が入っていて着信は学校からです。
嫌な予感がします。
マナーモードにしていたので気付かなかったのです。
聞いてみると9時半頃の着信で、息子が吐いたから迎えに来てほしいとの連絡でした。
もう今は13時です。
帰宅を待つほかありません。
無理矢理起こして登校させたことを悔やみました。
大人じゃないんだし普段10時間寝る子供が四時間睡眠で朝っぱらから久しぶりの登校なんて条件がハードすぎました。
帰ってきた息子はすっかり元気で安心しました。
「吐いたんだって?迎えに行けなくてごめんね」
「うん、布マスクずっとつけてたのが息苦しくて吐いちゃった」
「いやいや、あんまし寝てなかったからじゃない?」
「それもあるかもね、でももう大丈夫だよ」
シャワーを浴びていつもどおりゲームを始めました。
子供に「おいニート!にぃ父さん」と呼ばれた理由
迎えに行ってやれなかった罪悪感と、保護者として子供の体調生活管理をうまくできなかったことを反省し、息子に事情を正直に打ち明けて謝りました。
「迎えに行けなくてごめん。実は携帯の音が鳴らないようにセットしてて学校からの電話に気付かなかったんだ。その間寝てたからさ、ごめん」
息子は私が仕事に行っていたと思っていたらしく、寝ていたという事実を知って冗談ぽく責めてきました。
「子供が具合悪くて大変な時に寝ている親!」と。
そこまで正直に言う必要なかったとすぐに後悔しました。
でも私の中では心からの謝罪に一片の嘘も含んではならないという信念もあったし、仕事に行ってようが家で寝てようが迎えに行けなかった事実は同じなのだから、言い訳するつもりがなければ理由なんて意味を成さないし、そこまで引っ掛かるとは思っていなかったのです。
でも大人の社会でも同じ遅刻であってもその理由が寝坊と電車の遅延では上司の対応も変わるというものです。そりゃそうか。
「おいニート!お前はにぃ父さんだ!」と続けて言われました。
「ニートちゃうわ!お前を養育してるんだから立派な主夫だ!」
「でもいつもゴロゴロしてるし、やっぱりニートだ!」
こいつニートの定義を正確には解ってないな。
「でも来週からは仕事が始まるんだよ!(嘘)」
「ブログじゃなくて?」
「……ブログもまぁそうだけどさぁ…」
なんだかそろそろ苦しくなってきたな。
安易に騙せなくなるくらい、だんだん成長してきてるんだなって事が、親としては少し嬉しく思うのでした。
でも、さすがに親に対してニート呼ばわりはダメだぞって教えないとな。