黒板に爪を立てて下に向けて掻くよりも、お皿にフォークがキキキキキィィよりも嫌いな音があります。
それは家の「ピンポーン」、チャイムです。
ドアスコープの向こう側
突然のチャイムにご用心
くつろいでいる時に突然鳴り響く大音量の下界からの知らせ。
一瞬で引き戻される現実感と、得体の知れぬ恐怖と緊張感で心音はうなりをあげる。
フリーズした身体と巡る思考回路。
何処の誰だ誰だ誰だ?!
届く予定はないがゆうパックだったら出た方がいいぞ?
よし、とりあえずノゾキアナを覗いてみるか。(ドア前カメラ欲しい)
ドアの向こうの人にこちらの足音が悟られないように抜き足差し足…
そーーっと、そーーっと、大股で玄関まで忍び足で近づいて覗き穴を覗く。
よくわからない人物がこちらの気配に耳を立てて窺っている。怖い。
何故何も言ってこない!まず己の名を名乗れよ!この非常識者め!
数分にも感じられる沈黙の我慢比べが数秒続いた後、結局何も言わずに去っていく。
なんだったんだろう?
訪問者たち
毎回思うんだけど、こちら側のリアクション待ちで声を発さない訪問者が多いけど、そんなんじゃ出てあげないよ?
まず訪問者が用件を叫んで、それを聞いて必要を感じたらそこで初めて「なんですか?」と声だけで応対しますよ。
おそらく自分の商品や案件に自信がないのか、声を挙げるのが恥ずかしいのかの二択かと思われますが、郵便屋さんなら「郵便でーす!」って言いますからね。おそらくは勧誘だったりつまらないアンケートだったり私のファンだったりするのでしょう(それはない)。
乳製品の宅配業者が無料で配りに来たりもしますが、受け取ってしまうと後々面倒なので貰いたい気持ちを抑えてスルーする事にしています。
引っ越しの挨拶に来る美女なんて絶対に来ません。
宗教勧誘の女性二人組なら来た事ありますが。
居留守のススメ
全ての悲劇は居留守で回避できる
映画なんか見てると決まって不用意にドアを開けてしまった事からとんでも事件に巻き込まれてしまうというプロローグが多いですけど、そんなドラマチックな展開なんてあるはずもないとはいえ、少なくとも私のこれまでの経験データ上において、チャイムが鳴ってドアを開けて「出なきゃよかった」と後悔する事が8割を越えるので、配達の予定がない限り突然の来訪チャイムには応対すらしないと決めています。
結果心の平穏が保たれます。
昔上京したての気の弱い友人がゴミ売り新聞の勧誘に1時間以上玄関に居座られてなくなく契約をさせられたという嘘みたいなホントの話を聞かされていたので、迂闊にドアを開けてはいけないという事だけは肝に銘じているのです。
あと変質者や強盗やアンチ(妄想)が突然刃物を突き付けてくる可能性だって0.01%はなくもないですからね、用心に越した事はありません。
そもそもチャイムに出るメリットがこちらにはありません。
「一万円あげますよ~」と言われたって怪しいから出ませんよ!
訪問者は居留守者がドアを開けたくなる文句を真剣に考えるべきでしょう。
何も言わずにすぐ諦めて帰るような軟弱者はその仕事向いてないから今すぐ辞めた方がいいよと親切心で言ってあげたくなってしまいますけどね。
メールやLINEの通知も消音
あとなんといっても電話の着信ですが、ほとんど鳴る事はないですし、携帯はディスプレイに表示されるので相手が判るので問題ないですが、登録されてない番号からかかってきた場合なんかだと取らない人も多いかと思いますが、私は極力出るようにしています。ずっとモヤモヤしてしまうので。
で、出るとやっぱり7割方間違い電話だったりします。
それでも相手にもハッキリさせられるので出て正解なんだと思います。
逆にメールやLINEの音声通知は鳴らないように設定してます。
寝ている時にダイレクトメールとかで起こされても困りますし、メールやLINEは気が向いた時にチェックしたいですからね。
届いてすぐ読んだら負けかな、と勝手に思ってます。
だから友達いないんだね。
自らドアを開ける瞬間
そんな私でも一日に一度チャイムが鳴る前にドアを開ける時があります。
子供が学校から帰ってくる時です。
帰宅時間は把握しているので、その時間になるとソワソワして家の外の音に耳を傾けます。
するとよく知った愛しい足音が近づいてくるので急いで玄関前に待機して、ドアスコープに歩いてくる子の姿が入り込んだ瞬間にドアを開けるのです。
たまにチャイムが鳴ってからドアを開けると「なんで出てくるの遅かったの?」と言われてしまいます。
その為いつのまにか出迎えが真剣勝負になってしまっています。
なのでうちにはチャイムは必要ないのです。