今日は秀樹の命日であるが、一昨日「ちびまる子ちゃん」のエンディングで突如西城秀樹のこの曲が流れてカンゲキしたので、改めてこの曲についての見解を記しておこうと思った。
- 走れ正直者は年に一度秀樹の命日付近で流れる
- 走れ正直者は正直全然売れなかった
- さくらももこのワードセンスが光る
- 織田哲郎のいつものコード進行に+スカ&レゲエ風味
- 西城秀樹の全力が最高にダサカッコイイ
- 最後のオリジナルアルバム「MAD DOG」
走れ正直者は年に一度秀樹の命日付近で流れる
西城秀樹氏が18年の5月に亡くなられて以降、19年から毎年5月中旬の「ちびまる子ちゃん」のオンエアでは年イチでエンディング曲が「走れ正直者」に差し替えられるという粋な演出が恒例になっている。
その度に視聴者の反応は「名曲!」「泣ける」と大絶賛で、この楽曲自体が再評価されてきている。
実際エモいんですよね、全体的に。
歌っている秀樹と、詩を書いたさくらももこ両氏が既に鬼籍ということも合わさって、非常に心を揺さぶられてしまうんですわ。
走れ正直者は正直全然売れなかった
ちびまる子ちゃんの初代ED「おどるポンポコリン」がミリオンセラーで年間一位になる程爆売れしたその次の2代目エンディング曲として起用されただけに、この「走れ正直者」の売れなさは落差として哀れな程で、11.4万枚で最高17位という記録に留まった。
単純に「ちびまる子ちゃん」の一大ブームが去ったという事ではあるが、平成の時代に西城秀樹は古臭いという受け付けなさもあったかも?
あとポンポコリンの二番煎じ感もあって、とにかくこの曲は狙ってズッコケた印象。
さくらももこのワードセンスが光る
それでもやっぱりさくらももこは作詞家としても天才としか言いようがない。
意味不明のようなサビの「りんりんらんらんソーセージ」は、最初NTTの電話のCMソングとして想定して書かれていた為、電話のりんりんから発想されたもので、それに70年代のアイドルデュオのリンリン・ランランが双子(双生児)という意味からくるダブルミーニングだということらしい。
ただしそんなことはどうでもよくて、この曲はとにかく秀樹節で叫んでほしいフレーズを曲の最高潮に押し込んでいる所がツボ。
「なんてことは」と「知っているさー」がソレ。
織田哲郎のいつものコード進行に+スカ&レゲエ風味
曲調はスカ&レゲエ風味ではあるが、完全にいつもの織田哲郎のコード進行。
TUBEの「ビーチタイム」とほぼ同じ。(因みにビーチタイムは松田聖子の青い珊瑚礁とも同じコード進行なのだが、小田さんの曲を織田さんがパクった事になってしまうのでこれは極秘事項だ)
織田的にはスカのリズムで実験したつもりであるが、全然J-POPで耳馴染み良く、ミリオン売る下心は満載だったであろうことは容易に邪推できる。
西城秀樹の全力が最高にダサカッコイイ
なんといっても当時すでにレジェンドであった西城秀樹がさくらももこのふざけた歌詞を全力で歌いきる姿勢には好感度しかなく、聴いてて気持ちが良い。
あたまの「交差点で百円拾ったよ~」から既にあの西城秀樹がこんなフレーズを!?という違和感からくるギャップが最高に可笑しい。
「近所でも評判さー」の部分の力強い秀樹節なんかは、彼の旺盛なサービス精神に曲を聴くたびに頭が下がる思いだ。(さくらももこがお願いしたんだろうけど)
最後のオリジナルアルバム「MAD DOG」
西城秀樹はベストアルバムなら定期的にリリースされてきた印象だが、オリジナルアルバムはというと、この1991年発売の「MAD DOG」が最後ということで、その後もシングルは年イチでリリースされるものの、アルバムアーティストとしては意外にも早くに現役を退いていた事実に気付かされた。(それに比べて郷ひろみの息の永さよ)
「走れ正直者」の他に奥田民生作詞作曲による「きみの男」などを収録。
織田哲郎プロデュースによる全体的にロックで聴きやすいアルバム。↓