WBC（野球のワールドカップ）で日本が３大会ぶり三度目の優勝を果たしました。おめでとう！
第一回第二回の優勝監督は王・原の誰もが知る巨人のスラッガーですが、今回の栗山監督が王・原と肩を並べる事に違和感を覚える人も多いはず。
栗山監督と言えば日本ハムの監督を10年やられてその間にたくさんの有望選手を立派に育てた指揮官としてのキャリアは文句なしです。
ですが彼の現役時代はいったいどんな選手だったかを知っている人がどれだけいるでしょうか。
数字を見れば一目瞭然ですからさっそく見てみましょう。
打率279 本塁打７ 打点67 盗塁23
なかなか小技の効きそうな二番バッタータイプですね。
でもこれ、一年間の成績じゃないですよ？
現役７年間での通算成績です。（平均じゃないよ！合計だよ！）
え？！
栗山英樹の現役時代
栗山は大卒後の84年～90年の７年間ヤクルトスワローズでプレイしてました。
当時の80年代のヤクルトはずっと暗黒期でして、どうしようもなかったです。
逆に言えばそんなチーム状態だったからこそ栗山でも起用される機会があったということです。
栗山が規定打席に到達した年は引退前年(89年)の一年しかなく、その前の年(88年)に３割打って確変的に活躍したぐらいです。
つまり普通だったら引退後にコーチや解説の声が掛かりもしないレベルの選手なのですが、何故か引退してから顔が売れ始めた稀有な元プロ野球選手なのです。
国立大学卒で教員免許取得の大学教授
おそらく栗山が引退後にも仕事のオファーがあったのはこのプロ野球選手としては異例な学歴があったからだと思われます。
プロ野球の監督で国立大卒で大学教授という資格持ちは栗山だけだそうです。
但しそれだけでなく、栗山の外へのコミュ力と甘いマスクが同じくらい力を発揮したようにも思えます。
逆にものすごいキャリアがありながらも、監督にも解説者にも何故か声が掛からないという引退後悲惨な大選手も結構います。
昨年空港で逮捕されて年末に自殺に近い事故で亡くなってしまったマサカリ投法の村田兆次投手や、私の一番好きな門田選手なんかがまさにその（不器用）タイプです ↓
野球解説とスポーツバラエティと大学講師の三刀流
栗山と言えば00年代は長らくテレ朝系列の「NANDA!?」でナンチャンとずっとスポーツバラエティをやっていた印象でしたが、12年から日ハムの監督を10年務めてすっかり名監督としての地位を築きました。
それだけでなく、野球評論家や大学講師を務め、助教授から准教授、教授にまで着実に昇進し、その傍らで情報番組の司会や高校野球への取材にも取り組み、熱血スタイルでバリバリ働いてるうちに日ハムの監督オファーがきたというわけです。
例え選手時代の成績がショボくても、引退後にここまで積み上げられる人はそうそう居ないので、栗山の真面目に努力する姿勢が野球界でも認められたという事だろう。
結局大谷を二刀流で使い続けた事が全て
日ハム監督時代の栗山の成績は可もなく不可もなくであるが、ダルビッシュの抜けた後のチームを低迷させずに立て直した事と、中田翔を腐らせずに大砲として育て上げた事、そしてなにより大谷を入団から二刀流として大成させる約束を果たしたことに尽きるだろう。（ハンカチ王子と清宮は無理だったけど）
プロ入り後の大谷の恩師は栗山である以上、大谷が活躍し続ける限り栗山の株は落ちることはないという事だ。
そしてこの度のWBCの監督としての重責に耐えながらもきっちり優勝という目標を達成させたことで、現役時代にホームランを７年間でたった７本しか打てなかった選手が、指揮官として野球界のレジェンドに昇りつめたのである。
栗山が指導者として大成した理由は元から教員を目指していた（小中高の教員免許取得）からというのも多分にあるが、やはり人心掌握術に長けていたであろう事は、選手を下の名前で呼ぶなどの接し方を見れば一目瞭然である。
栗山は自称「原マニア」なので、原監督の巨人第一次政権の頃(02-03)のやり方を参考にしたはずである。
因みに栗山は子無しの独身であるため度々ホモ疑惑も浮上するが、若い頃モテすぎた事で早い段階で女性に興味を失くしたらしいとの通説が正しそうだ？
例え生涯独身でも、伊達公子と天秤にかけてイチローの妻を振った男ですから、カッコはつくというものですｗ
