しえすたブログ

ひきこもりで無職のシングルファザーが離婚や親権について語る

結婚記念日の10年前を思い出す~From 10 years after

10年前の今日、役所へ婚姻届を提出した。

たったそれだけで、記念日というにはあまりに恐縮で違和感がある。

それに離婚した結婚破綻者にとっては記念日でもなんでもなく、どちらかというと忌まわしき後悔と失敗の厄日として、自粛自戒しなければならない日として鑑みなければならない。

結婚記念日の10年前にタイムスリップ

求職中の無職状態で結婚

同棲してすでに4年が過ぎていた。

元妻の妊娠が発覚し、いよいよ籍を入れる事となった。

さすがに腹は括っていたので覚悟を決めた。

当時の私はヤフオクの転売で小銭を稼いでいたが、さすがにそろそろバイトしないといけないなと思っていた矢先だったので、実質無職の状態で婚姻届を提出する運びとなった。

職業欄には堂々と「無職」と書いた。

無職では認められませんと役所の人に結婚を止めてもらえるかもしれないと期待したのかもしれない。

が、あっさり「おめでとうございます」と受理されてしまった。

 

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当然うちの母親からは「正社員じゃないと結婚しちゃダメ」と反対されたが、そう言われると逆にやったろーじゃないかと奮い立ち、私が無職なのにも関わらず一貫して結婚を希望し続けた元妻に、自分の燃えカスのような半生を捧げようと決めた。

 

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ろくでなし夫の新婚生活

互いの結婚指輪をデパートに買いに行った。

裏側に相手の名前を英字で彫ってくれるのだが、確か一万円もしなかった気がする。

結婚式もしなかったし、写真さえ撮らなかったし、ハネムーンも行かなかった。

互いの両親の顔合わせすら行わなかった。

相手の親に挨拶には行ったかな。

スーツ着て、さすがにそこでは仕事してるって嘘ついたかな?覚えてない。

 

こうしてみると我ながらひどい男だなと思うよ。

自分の信念に基づきそれら一切は無駄であると言い聞かせ、共に日々を過ごす事こそが互いへのプレゼントなんだと洗脳し、世間の慣習を一掃する俺カッケェと一般的な風習に迎合する姿勢は微塵もとらなかった。

要は全部が面倒臭かった。

 

結婚しても俺は変わらないよ?と念を押した。

それまで全く喧嘩する事もなかったが、婚姻届けを出した途端から元妻は徐々に不満を口にするようになっていった。

悪阻もひどかったので機嫌の悪い状態が多くなった。

それまでどちらかというと私に媚びていた元妻が、妊娠したことで対等の立場となり、出産したら母親は偉いんだぞとマウントをとってくるようになった。

その変化に困惑したが、もう後戻りはできない。

そして父になる

子供が産まれてからは互いに子供へ愛情を注ぐことで冷めた夫婦関係を誤魔化した。

そもそも私の方は元から愛してなんていなかった。

それがとても罪深く思えて、だから夫として父親としての義務はせめて全うしようと心に誓った。

相手に対して申し訳ない気持ちとハメられた気持ちが相反して葛藤した。

でも二人きりの生活には限界があったが、子供ができたことで生活に彩が生まれたのも確かだった。

 

乙女ではなくともそれなりに結婚に対する憧れや純白なイメージは持っていた。

しかし現実は共同生活の継続だった。

実際に生活水準やらに違いはあるにせよ、どこもそうゆうものだと思う。

妊娠中や出産後しばらくは妻が働けないのでその分自分が働いて生活費を稼がなければという意識は人並みに芽生え、数年前に辞めた職場に出戻り復職した。

 

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10YEARS AFTER

十年ひと昔という言葉がある通り、やはり十年という歳月はそれなりに人の環境を変えるには充分な時間だ。

十年前は母親のお腹の中で養分を蓄えていたエコー写真でしかその存在を確認できなかった生命体も、今ではランドセルを背負って元気に小学校に通っている。

十年前無職で婚姻届けを提出した私は現在も色々あった末に無職に回帰した。

 

結婚は失敗に終わってしまったけれど、自分の子供に出会えた事は収穫だった。

今でも結婚はリスクでしかないとは思うけど、家庭というハンデを持たないと、いつまでもイージーモードの人生ではゲーム同様飽きてしまうから、大人として次のステージを生きる上で必要なイベントなんだとは思う。

 

結局のところ依然ダメ人間である事に変わりはなくて、家庭を築いても子供を持っても自分を変える事のなかった我の強い自分に苦笑しつつ、これからも無理をしない生き方だけを追求し、一筆入魂で紡ぐ活字の中にだけは真摯な自我を見出すべく、正直な想いを綴っていきたいと思う。

 

十年前の自分にはどんなに環境が変化しても人間ってそんなに変わらないものなんだね、とだけ意味深に告げてタイムマシンで先程帰還した。

 

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